「薬剤師として働いていても、まったくやりがいがない」
「薬剤師の仕事に魅力を感じない。定年までこのままやりがいを持てずに働き続けるなんて、地獄……」
薬剤師として働いていると、日々の忙しさやストレスなどから、やりがいを見失ってしまうこともあるのではないでしょうか?
働き始めたころは喜びややりがいで輝いていたのに、いつの間にかただお金を稼いでいるだけのむなしい状態へ……。
仕事に魅力を感じられなくなってしまうと、働くことが苦痛で仕方なくなってしまいますよね。
そこで今回は、薬剤師がやりがいを得たり失ったりするケースを解説し、再びやりがいを見出すために取るべき7つの行動を紹介します。
この記事を参考に働き方と心をメンテナンスして、より充実した暮らしを作っていきましょう。
もし、あなたが今の職場に魅力を感じないのであれば転職するのも一つの方法です。
職場が変わり給与があがったり、仕事の幅が広がればやりがいを感じることも多くなります。
また、薬剤師以外にも企業などの転職も可能なので下記のサイトで案件を紹介してもらうだけでも試してみましょう。
薬剤師はどんなときやりがいや魅力を感じる?
薬剤師の仕事に魅力を感じなくなってしまったときは、まずは原点に立ち返って薬剤師のやりがいについて見直してみましょう。
次の3つのケースでは、仕事にやりがいや喜びを見出す薬剤師が多いようです。
シンプルに給与が高いのが魅力
薬剤師って稼げないなぁ…と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、薬剤師は下記のような平均年収です。
日本人の平均年収は、436万円なのでそれと比較すると高い年収になります。
また、管理薬剤師になれば600-800万も目指せるのでシンプルに給与は魅力的と言えます。
年度 | 全国の薬剤師の平均年収 |
2020年度 | 549万円 |
2019年度 | 535万円 |
患者さんから感謝されたときにやりがいを感じる
患者さんから心から「ありがとう」と感謝してもらえたとき、やりがいに満たされる薬剤師はとても多いです。
<患者さんから「ありがとう」と感謝される場面>
- 併用薬との重複や副作用を見抜いて医師に報告したとき
- 在宅訪問したとき
- 過剰残薬の問題を解消したとき
- 患者さんの悩みや相談にアドバイスできたとき
- セルフメディケーションへの対応
これらの対人業務では薬剤師としての専門知識を生かして患者さんの健康に貢献することができるため、患者さんや家族から感謝の言葉をいただくことがあります。
誰かの役に立てたという実感が、「薬剤師になってよかった!」というのやりがいにつながります。
専門性を発揮して医療に貢献できたとき
医師に適切な処方を提案できたときや、チーム医療の一員として活躍できたときなど、薬剤師としての職能を発揮して医療に貢献できると、薬剤師としてのやりがいを実感することができます。
薬学のプロフェッショナルとして「医師や看護師とは違う立場で治療に貢献できた」という事実が、薬剤師のやりがいに直結します。
がん専門薬剤師や糖尿病専門薬剤師など、高度な専門性を持って薬剤師が活躍できいる場面は多岐にわたります。
給与・待遇のよさに満足できたとき
薬剤師は国家資格保有の専門職であるため20代でも高年収を実現しやすく、福利厚生が充実している、転職が容易であるなどメリットの多い職種です。
妊娠・出産で退職して数年のブランクがあっても再就職しやすく、ライフステージに見合った働き方が可能といえます。
薬剤師以外の人より給与・待遇面で有利だと実感できると、「薬剤師を選んでよかった」という満足感とやりがいにつながります。
業種別・薬剤師のやりがい
どんな業種に付いているかによって、薬剤師がやりがいを感じる場面は異なります。
業種ごとに、やりがいを感じやすい場面を解説します。
調剤薬局のやりがい
外来患者さんとコミュニケーションをとり、長期的に健康サポートをしやすいのが調剤薬局の薬剤師です。
顔なじみになった患者さんが心を開いて相談してくれると、その患者さんの人生を直接支えることができたという実感を得ることができます。
在宅医療に進出する薬局も増え、高齢患者など健康に直接かかわる業務も増えてきました。
対物業務から対人業務へのシフトは、薬局薬剤師のやりがいにも寄与するかもしれません。
ドラッグストアのやりがい
適切なOTC薬の提案など、薬剤師としてお客さんの健康に貢献できるとやりがいを感じやすいです。
ドラッグストアには営業ノルマもあり、ノルマ達成に喜びを見出す薬剤師もいるでしょう。
さらに、調剤薬局併設店舗では調剤や服薬指導によって患者さんを支えることも可能です。
病院のやりがい
急性期の患者や症状の重い入院患者の生命を救う場面に直面しやすいのが、病院薬剤師のやりがいともいえます。
医師の近くで治療経過をサポートし、がん化学療法など薬学的な専門性を発揮しながらチーム医療に貢献することができます。
製薬企業・卸などのやりがい
患者さんと直に接する機会はほとんどありませんが、自社の扱う医薬品を通して患者さんの健康に貢献できるのが企業に勤める薬剤師のやりがいです。
MRのような営業職では、ノルマ達成のやりがいもあるでしょう。
行政機関
保健所や自治体で働く薬剤師は、地域の飲食店や薬局などへの立ち入り検査や薬事衛生・医療安全にかかわる指導などを行っています。
一人ひとりの患者さんと接するケースはほとんどありませんが、地域住民の健康を支える立場としてやりがいを見出すことができます。
薬剤師がやりがいを失うときとは?
薬剤師がやりがいを失いやすいのは、「自分がまったく貢献できていない」という無力感を感じたときや、成長・キャリアアップできないまま『歯車』のように単調作業ばかりしているときです。
職種ごとにやりがいを失う場面を解説します。
調剤薬局
短調な計数調剤ばかりで自分が「調剤ロボット」のように感じてしまったときや、患者からの理不尽なクレームを受けたとき、疑義紹介時に医師から高圧的にはねのけられてしまったときなど、自分が薬剤師として活躍できていないと感じるとやりがいの喪失につながります。
狭い薬局ならではの閉塞感や人間関係のトラブル、キャリアアップできずに多忙な日々を繰り返している状況などでも、仕事の魅力を感じなくなってしまうようです。
ドラッグストア
ドラッグストアではレジ打ちや納品などの雑務の多さや、夜10時など遅くまで働き続ける多忙さで、疲れ切ってしまう薬剤師もいます。
上層部から厳しい営業ノルマを言い渡されたり、薬剤師業務への無理解を突きつけられたりすると、薬剤師として医療に貢献するどころではなくなってしまい「虚しい……」と感じる場面もあるでしょう。
病院
病院は夜勤や当直が多く、急性期患者に関わるなど責任の重い仕事であるにもかかわらず、他職種の薬剤師よりも給与水準が低いです。
心身に大きな負荷を抱えながら医療に貢献しているのに、「こんなに給料が低いなんて」と虚しい心境におちいってしまうのです。
また、病院によっては薬剤師の立場が低く、事務方や医師に無理解な態度を取られてやりがいを失うケースも見られます。
製薬企業・卸など
企業で働く薬剤師は、患者との距離が遠くて薬剤師免許を生かせていないように感じると、やりがいを失うこともあります。
MRでは、過酷な営業ノルマや営業先医療機関による理不尽な要求などで強いストレスを感じる場面もあります。
行政機関
公務員の仕事は給与体系が明確に定まっているので、自分がどれほど活躍しても規定外の昇給は望めません。
公務員ならではの「縦社会」の風潮が強い部署では、閉塞感でやりがいを失う人もいるでしょう。
やりがいがないときの対処法

やりがいがない……そんな薬剤師に、具体的な解決策を7つご紹介します。
常に目標を更新してスキルアップする
「5年後、10年後どんな薬剤師として活躍したいか」、「そのために得るべきスキルは何か?」と、逆算して自分の目標を更新し続けましょう。
変化も成長もなく同じ作業だけを繰り返していれば、誰でもやりがいを失ってしまうものです。
将来的にどれくらい給料を上げたいのか、どんな人生が送りたいのか、とゴールから逆算し続けることがポイントです。
今の職場では目標達成が困難な場合には、転職が視野に入ることもあるでしょう。
休暇を取って心身を休める
激務続きで疲れ切ってしまうと、やりがいどころではなくなってしまいます。
有給休暇を取り、心身を十分に休ませることが欠かせません。
気持ちの余裕が戻ってくれば「前に薬剤師として活躍できたこと、感謝されたこと」などの喜びを振り返ることもでき、原点に立ち返ってやりがいを取り戻すことも可能です。
副業を始める
薬剤師としての仕事にやりがいがないのなら、副業を始めて新しい自分の可能性を探してみてはいかがでしょうか。
具体的には、メディカルライターや翻訳業務、他薬局とのダブルワークなどがあります。
クラウドワークスやランサーズのようなクラウドソーシングサービスで、自分の特技を活かして収入を得るのも気分転換になりますよ。
ただし、公務員は副業が禁止されているのでやめましょう。管理薬剤師も、薬事関連の兼業はできないので注意してください。
一般薬剤師でも、就業規則で副業を制限されている場合があるので確認すると安心です。
店舗異動、環境改善を上司に求める
やりがい喪失の原因が所属店舗の労働環境にある場合には、上司に直接相談するのも一つです。
人間関係トラブルや店舗特有の問題点があるなら、店舗異動で解決できる可能性があります。
信頼できる先輩・同僚などに相談する
やりがいを失うほどつらい状況にあるのなら、一人で抱え込まずに信頼できる人にアドバイスを求めましょう。
職場の内情を理解している先輩や同僚に相談すると、現実的な解決策を一緒に探せるかもしれません。
ただし、相手があなたの悩みを他人に言いふらしたり、不利に働きかけたりしてくるリスクがあるので注意が必要です。
同じ職場の相手だと利害関係でこじれる可能性があるので、完全な第三者や転職コンサルタントに相談するほうが安全性が高いです。
転職コンサルタントにアドバイスを求める
薬剤師としてのやりがいを見いだせないのなら、転職サイトのコンサルタントに改善策を尋ねてみるのもおすすめです。
実際に転職する場合でなくても、転職サイトに登録すると業界知識に詳しいコンサルタントへの無料相談ができます。
ファルマスタッフのような転職を急かさない方針の転職サイトであれば、「辞めずに問題解決できる方法」についても相談しやすいです。
やりがいある職場への転職
理不尽な人間関係、昇給のめどが立たない、薬剤師として活躍できない職場風土など、自己努力では解決できない職場の場合には、やりがいを取り戻せるような職場への転職を検討する必要があるかもしれません。
転職を考える場合には、ただなんとなく「やりがいがほしいな……」と思うだけでなく、具体的に掘り下げることが欠かせません。
<自分にとって「やりがいのある職場」とは?>
- どんな業務をどの程度できれば、やりがいを得られる?
- やりがいとは、具体的にはどんなとき感じるどんな感情?
- やりがいを得ることで、自分はどのような利益を得られる?(人生の質が良くなるなど)
- 自分の薬剤師としてのビジョンに合っている?
- やりがいだけでは働き続けられない……雇用条件も要注意!
「やりがい」という抽象的な言葉で止まらず、どのような貢献・活躍・条件を達成できたら、自分がどんな利益(精神的・金銭的など)を得られるのか、本音ベースでじっくり吟味しましょう。
現状の不満をただ遠ざけたいというだけで転職先を決めてしまうと、やりがいのない職場に転職してしまう危険があります。
また、長く働き続けるのは、やる気ややりがいだけでは困難です。
給与や待遇、労働環境、通勤時間などもチェックして、自分の理想とすり合わせながら実現可能なラインを探っていきましょう。
薬剤師としてのやりがいを持って、生き生きと働く!
薬剤師は、患者さんの命と健康を守る重要な職業。
やりがいを失ったまま虚しく働くのは、本当に残念なことです。
自分の原点を振り返り、やりがいを取り戻して働けるように行動を起こしてみてください。
自分の本音と将来像をしっかり見据えて、やりがいをもって薬剤師としての人生を積み上げていきましょう。
みなさんの活躍を応援しています!
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